古都の道場 西向き間借り

まとまったことをちゃんと書くために。(まとまってないこと:Twitter→@Picassophia)

2023-01-01から1年間の記事一覧

まだ見えてないものに手を伸ばすようなものを書く

年末。 一週間の休みで、年度末までの授業準備、論文の執筆修正、イベントの準備、大掃除、帰省と、やるべき仕事は多い。 が、なによりも毎日学生対応や授業に追われる日常から離れられるという意味で、少し心に余裕はできる。 昨日は大掃除で、今日は午後か…

牛歩に抗う

今日は授業も研究会もないため、休日にして家で休んだ。 数日前から咳が続いている。怠いとか熱っぽいとかそういうのがないので、とりあえずは問題ないが、たまに喉に来るようなタイプのひどい咳が出て辛い。 授業も研究も決してゆとりがあるとは言えないが…

焦燥とは無縁の、スピード

明日から早速後期の授業が始まる。 この上半期は、生活様式がガラッと変わって、色々適応に手間取った。あるいはその結果かもしれないが、ここ数週間で風邪を引いて寝込むということもあった。 総合的に見て自分の身の上に幸を感じる日々であることは間違い…

分かり合えないことと芸術

前の記事を読み返して、我ながらよく描けているなと思った。自分は、誰に向けて書くでもなく、永遠に向けて、しかし外へ自分を描くということをするときが一番ものごとをちゃんと描けるような気がする。それは特定の個人に向けたメッセージではない。人間に…

イデアを見る

英雄ポロネーズで、だんだん目が冴えてくる。 ときどきこの時間の流れ自体が、どこかの誰かの記憶とつながるような気がする。 何の煩わしい喧騒も疑心もない生活。それは営まれるべき生活ではないが、瞬間として存在するような生活である。仲の良い友人も家…

日本と応用倫理学

後期の授業準備の一環で、加藤尚武を読んでいる。 「日本での生命倫理学のはじまり」(2007)という短論文があって、これが加藤倫理学の一面を照らしているように見えるので、少し書いて所感を整理したい。 加藤はヘーゲル研究者から日本応用倫理学の先達とな…

推論と直観

デカルトの『省察』を読んでいて、現代人の日常についてふと考えた。通俗的な現代人に欠けている知的習慣とは何だろうか、それは推論ではないか、というようなことだ。 「推論」よりも「推理」という言葉が馴染み深いのは、ミステリー小説や漫画の影響力にも…

哲学者の仕事に寄せて

終戦日。台風で、予定していた帰省が滞り、家でじっと過ごした。怒涛の忙しい日々が束の間の落ち着きを見せて、じっくり休んでいる。 先日は気心の知れた旧友とキャンプで久闊を叙した。この年になると、色々と生活や家庭のことを考える。そう大きな夢も語っ…

哲学の過激さ——哲学対話に寄せて

縁あって哲学対話型の研究会に参加させていただいた。 まったく未経験というわけでもなかったが、それでもほぼ馴染みのない環境だったので、色々興味深く、また普段あまり自分が交流することのないタイプの方々にお目にかかることができる良い機会になった。…

論理と倫理

最近、倫理的なものや社会的なものについて考える機会が多く、それらに対してどういう態度をとるべきか、ということをおぼろげに考えている。 身近な話で言えば、来年度から倫理の専任になるという件がある。倫理学の専門家ではないから、これからディシプリ…