古都の道場 西向き間借り

まとまったことをちゃんと書くために。(まとまってないこと:Twitter→@Picassophia)

ちょっと文学のこと

権威と完全な静止

机を前にする。席につく。文字をしたためる。 労いに鳥羽の方まで羽を休めに行って、昨晩帰ってきた。今日は掃除をするつもりだが、いざ朝を迎えてみると寒さが辛くて、のそのそと起きて朝食をとりながら結局いつものように悠長に本を読んでしまっていた。 …

ロマンチックに、音楽を聴くように耳を傾けること——『夢十夜』第一夜

今年のofficialな仕事が一通り片付いてほっとしている。あとはぼちぼち自分の仕事をしながら年末にかけて一年の疲れをゆっくり癒そうかな、と思う。 と言いながらもついつい仕事をしてしまうもので、教材研究の一環で漱石の『夢十夜』を読み返していた。 『…

夏の午後とピアノ——伊藤整の「生物祭」

割合よくある表象だと思うのだが、夏の午後のワンシーンに音数の少ないローテンポのピアノメロディを流すあの感じを言葉にしてみたい。 すっと頭に浮かぶのは細田守の『時をかける少女』だが、別にそれ自体に固有な表象というわけでもないような気がする。 …

Lambを読む

日曜日なので休んだ。 仕事を辞めてまもなく新年度が始まる。せっかくなのだから奮起して研究に集中する生活をしようと思って、今月はできるだけ意識しながら休んだ。明日から新年度を意識してきびきびやっていこうというわけだ。ただ、こうした塞ぎ込みがち…

「家族」というコンプレックス

連日苦手な事務仕事に追われてなかなか研究に向き合えず、だいぶ疲れている。 その上今朝は頗るおぞましいものを垣間見て、ひどく参ってしまった。 今日は仕事はダメだ、と思ってヘーゲルとフランス語を少し読んだ後、研究もせず寝ながら『オデュッセイア』…